第17章 道中と野宿
私たちはおらふの家でルイボスティーを楽しんだあと出発した。
目指す先は、私たちの隣にある国、サンディ。草木の多い私たちが住む大巫女の国とは違い、砂漠に位置する国だ。
隣の国とはいえ、徒歩で行くには三日もかかる程遠い場所であった。だったら一旦城に戻って馬車に乗って行けばいいじゃんとぼんじゅうるに言われたが、杖も直せていないまま城に帰る勇気はなく、城下町で立ち止まって動かない私に気遣って、とうとうサンディには徒歩で行くことにしたのだ。
徒歩とはいっても、私とぼんじゅうるとおんりーは馬に、おらふはあの大きなオオカミに跨って移動はしていたのだけれども、安全に早く移動出来る馬車と比べたら早くても一晩は野宿をするだろうと思われた。
けれども道中は、国と国を繋ぐ大通りがあるため、比較的移動しやすかった。なので私たちは、お話をしながら移動していた。
「ねぇねぇ、ユメさんはさ……」
特におらふという彼は、誰よりもお喋りだった。獣使いというだけあって、色んな動物とも仲良くなれる彼は、色んな生き物たちから様々な話を聞いていて話題が尽きないのだ。私はあまり城を出たことがなかったから何を聞いても面白かった。さっき話してくれた前転が得意なパンダの話とかも面白かったなぁ。