『ヒロアカ』I want you【ホークス・爆豪・荼毘】
第1章 はじまり《※ホークス》
「ホークス!ここにしよ!」
指差したのは最近オープンしたドーナツ屋さん。いいタイミングで来たのか今日は日曜日なのに割と空いている
「ここずっと来たかったの!」
「へぇちゃんドーナツ好きなんだ……けどなんかここ俺っぽくなくない?大丈夫?浮かないかなー」
確かにホークスの雰囲気とはアンマッチなお店に少し笑いそうになりながら
「大丈夫大丈夫!はいろ!」と声をかけお店の中に入る
「いらっしゃいませー!2名様ですか?お好きな席にどうぞ!」
おしゃれなお店に合う可愛いお姉さんが元気にお出迎えしてくれ、私たちは出来るだけ目立たないように1番角の席へと座る
「どれにしよう〜どれも美味しそうで決めれない〜」
「食べたいもの全部頼めばいいじゃん?」
「そんな頼んだら食べきれないもん」
「ちゃんが食べきれないやつは俺が食べるよ」
そう言ってくれるもんだから、テーブルいっぱいに食べたかったドーナツを頼む
「いただきまーす!」
念願のドーナツを食べれて綻ぶ私の顔をホークスはテーブルに頬杖をつきながら見てくる
「おいしいー?」
「うん!とってもおいしい!」
「そりゃよかった」
そう言って微笑むホークスの顔がかっこよくて、やっぱり好きだなと再確認する
数十分後
「もう…限界…」
「…俺も。もう甘いものは当分いいかな」
なんとか頼んだドーナツを全て食べ切り、お互い頼んでいた飲み物でお口直しをする
私はカフェラテ、ホークスはブラックコーヒー
「ブラックなんて大人ですね」
「まあ、ちゃんよりは大人かなー」
「……、私もブラック頼もうかな」
少しでもホークスに釣り合うようになりたくて言ってみる
「ちゃんはカフェラテでいいの、そこが可愛いんだから。…飲みたいなら飲んでみる?」
そう言って自分が飲んでいるコーヒーを私に差し出す
それを受け取り
ごくっ
とストローで少量を吸い込む
カフェラテとは全く違う甘味のない飲み物に顔を歪めそうになるけど我慢だ
「……うん、まぁまぁだね」
強がってそう言いながらコーヒーをホークスの手に返すと『ははっ、かーわいっ』と笑い、残りのコーヒーを全て飲み干す