『ヒロアカ』I want you【ホークス・爆豪・荼毘】
第8章 冥い
事件の詳細はイレイザーヘッドから聞いた
話を聞く時は怒りで体が震えるのを抑えるのに必死だった
ちゃんと連絡がつくまでは生きた心地がしなかったし、考えたくないけど最悪な事態も頭をよぎった
だからやっと電話に出てくれた時はどれだけホッとしたことか…
通話を切ると急いでちゃんの元へと向かう
窓を叩くと涙目な彼女がそこにいた
部屋の中に入ると黙ってちゃんを抱きしめる
こんなに体ちいさかったけ…
この小さい体で必死に耐えていたのかと思うとなんとも言えない気持ちが込み上げてくる
「…ホークス…ッわたし……」
「大丈夫、なんも言わんでよか」
震える背中をさすりながら、なだめるように声をかける
何分たっただろうか。
ちゃんの嗚咽が収まってきた頃、顔を上げた彼女と目が合った
「ホークス…」
「…ん?」
「連絡ごめんね、返せなくて」
「…そんなんどうでもいいよ」
俺はちゃんの部屋のキッチンを借りて2人分のコーヒーを入れる
「落ち着いた?」
「うん、ありがとう」
「今日は別になにもなかった…ちゃんは普通に学校に行って授業を受けて今ここに帰ってきたんだ。それでいい。ね?」
「うん」
今日のことは忘れろ、遠回しにそう伝える
「…あの…ホークス」
「今度はなに?」
「ホークスって荼毘と知り合いだったりする…?」
「……なんでそう思うの?」
聞かれると思ってなかったまさかの質問に俺は動揺を隠せているだろうか
俺がヴィラン連合に潜入していることは一部の公安の人しか知らない
もしここで正直に話してしまえば、それこそ本当にちゃんに危害が及ぶかもしれない。
嘘をつくのは心苦しいけど……今はまだ本当のことを言うには早すぎる