『ヒロアカ』I want you【ホークス・爆豪・荼毘】
第8章 冥い
「体痛くないか?」
「はい、大丈夫です」
運転中、相澤先生は気を使ってか話しかけてきてくれた
「爆豪から聞いた。お前のこと強かったって言ってたぞ」
「強かった…?私が?何かの間違えです…私何もできなかった…」
「…お前に助けられたって泣いてた。爆豪がお前を庇って仲間になろうとした時、止めたんだろう?大丈夫だからって」
「……。」
「お前を庇おうとした爆豪もえらい、が自分を犠牲にしてまで仲間を守ろうとしたは強い。…お前は立派なヒーローになれるよ」
そう言って相澤先生はハンドルを持っていない方の手を私の頭の上にのせ優しくポンポンッとしてくれる
先生の言葉に目頭が熱くなり、それがバレないように車の窓を開けると外を眺め風を浴びる
産婦人科に着くと、先生は一緒に着いてきてくれようとしたが私たち2人が待合室にいると何か誤解させてはいけないと思い「1人で大丈夫です」と伝え車を降りた
「俺はここで待っている。病院には大体のことは伝えているが、もし自分で言いたいことがあればちゃんと言うように」
受付をすると、すぐに名前を呼ばれた
診察室に入るとそのまま診察台の上に案内され膣内洗浄をされたのち念の為に血液検査をしてもらった。
アフターピルを処方され、会計まで済ますと先生の待つ車へと戻る
「早かったな」
「行ったらすぐに呼ばれました」
「そうか。んじゃ戻るぞ」
「お願いします」
雄英に戻り自分の部屋に着くと急に力が抜けたようになりベッドへと横になる
ふとスマホを見てみると大量の不在着信に大量のLINE
全てホークスからだった
この通知の量からしてホークスにも事件のことは伝わってるだろう
電話を掛け直そうとしたタイミングでまたホークスから電話がきた
通話に出ると
「やっと繋がった…」
ひとこと目がそれだった
「ホークス……ッ」
声を聞いて安心すると堪えていた涙が出てくる
「すぐそっちに行くから待ってて」
通話を終了し数分後にはベランダの窓を叩く音が聞こえた
いつもより窓を叩く音が強い気がする
それだけ急いで来てくれたんだろうな
鍵を開け中へと招き入れる