『ヒロアカ』I want you【ホークス・爆豪・荼毘】
第1章 はじまり《※ホークス》
自分よりもずっと大きく固い背中を触りながら、また何ヶ月も会えないのかなと思うと先ほどこらえたばかりの涙がまた出そうになる
そんな私に気づいたのか
「夜のお散歩にでも行きますか?お嬢さん」
「えっ、でもホークス明日もお仕事なんじゃないの?」
「最近ずっとたてこんでたから、明日は久々の休みもらったんだ。だからゆっくりちゃんと居られるよ」
それが嬉しくて「行く!」と小さい子供のように大きな声で返事をする
ホークスとする散歩は普通の散歩ではない
ベランダに出るとホークスが私をお姫様抱っこで抱えて、そのまま大きくて綺麗な翼で羽ばたいて空のお散歩だ
何度経験してもこの浮遊感がたまらなく気持ちいい
「うわぁ〜、最高!あっ見て!あそこの建設中だった高層タワーもう出来上がってる!前ホークスと見た時はまだ全然出来てなかったのに早いね!」
そう言ってホークスを見ると、まるで赤ちゃんを見るような優しい顔で私の顔を見てくる
「な、なに?」
「んーや、かわいいなーって見てただけ」
「子供扱いしないでよっ」
「してないよ、してたらあんなに激しく抱いたりしない」
先ほどのことを思い出して、顔が熱くなってしまう
「ちゃんはウブだなー、けどそんなとこもかわいいよ」
「そりゃどうも。………ねぇ次会うのまた当分空いちゃう?」
「時間見つけて飛んでくるよ、なんたって俺は最速の男だからね」
こんなこと色んな女の人に言ってるんだろうか。私だけが特別扱いされてるわけじゃないよね。ホークスほどかっこよくて人気があれば女の人には困らないだろうし、けどこのやり場のない気持ちをどうにかしたくて「たらし…」とだけ小声で呟いたら、「ん?なに?」と聞かれたので、「なんでもない」と答えて
その後はお互いたわいのない話をして、1時間ほどして元の私の住んでいるアパートのベランダへと降り立った
「泊まって行ってくれる?」
「もちろん、最初からそのつもりだったよ」
部屋の中に入れば、2人で寝るには少し狭いベッドの上で体を寄せ合い朝を迎えた