『ヒロアカ』I want you【ホークス・爆豪・荼毘】
第5章 初めてのひと《※ホークス》
「なんであなたがここいにいるんです!あなたは海外に行ったはずじゃ…?!」
「色々あってしばらく日本にいることになったんだ…しばらくって言っても1ヶ月くらいだがね」
急な再会に頭がパニックになる
「まぁまぁ、2人とも久しぶりの再会で嬉しいことだろう。私はしばらく席を外すからゆっくり話すといい」
会長はそう言うと足早に部屋から出ていった
「元気…だったんですか」
「ああ、ホークスも元気そうで良かった」
「俺、デビューしたんすよ。今じゃヒーローランキング2位です」
「もちろん知ってるよ、立派になったな」
あの頃と同じように母親のような暖かさで俺を包み込む
「デビュー見届けられなくてごめんな」
「ははっ、覚えてくれてたんですね」
その暖かさと懐かしさに鼻の奥がツーンとする感覚がした
「今日、わたしの部屋に来い。ゆっくりと話をしよう」
ホテル名と部屋番号の書いた紙を俺を手渡すと彼女は部屋から出ていった
1度事務所に戻り、サイドキックに頼まれていた資料に目を通すとついでに残りの書類にも手をつけ溜まった仕事を片付けていく
落ち着いた頃にはあたりは日が落ち始めており「俺今日先に上がるねー」とサイドキック達に挨拶をしポケットに入れておいた紙切れを広げそこに書いてあるところへと向かう
コンコンッ
「俺です」
「入れ」
先程会った時よりも柔らかい表情で出迎えてくれる
少しの沈黙の後、先に沈黙を破ったのは彼女の方だった
「ほんと、久々だな」
「いやー、びっくりっすわ。まさかまた会えると思ってなかったんで」
「無理を言って少しの間帰国させてもらった、久々にホークスにも会いたかったしな」
「…そうですか」
「なんだ、昔に比べてずいぶん冷めたな。成長した、と言った方がいいか?」
「そりゃ成長しますよあれからもう4年経ってますからね」
「ほぉー、ならこっちの方も成長したか?」
そう言って俺に近づいてきて、人差し指を胸の辺りに置くとツーッとゆっくりと下に向かってなぞるように動かす
際どいところまで来るとその手を掴み、「言ったでしょ?もう4年経ってますからねって」そう言ってニコリと愛想笑いをする