第1章 冗談なんかじゃない
「…………うそ、つき…………っ、おく、いれないって」
なんとか呼吸を整えて加賀谷を睨もうとするけど。
ぐ、て。
加賀谷の逞しい左手が額へと押し当てられて。
自然と、首が逸れる。
その隙を付いて。
加賀谷が噛み付くような、キスをした。
「んぐ…………っ、ふ、んんぅ!!」
覆い被さるように加賀谷の体重が身体へとかかって。
身動きひとつ取れない状況の中再開された、指先での愛撫。
親指は突起を責め立て。
なかは、太い指先が1番奥まで掻き回す。
呼吸さえも根こそぎ奪うようなキスは息継ぎする暇も与えて貰えずに。
苦しさに必死で加賀谷のシャツを引っ張った。
酸欠で頭がぼーっとして来た頃、漸く解放された口から酸素をめ一杯取り込めば。
リアルに感じるお腹の違和感。
「かがやっ、かがや…………っ、ゆびとめてぇ!!」
額を押し込んでいた掌は目の前を覆いつくし、視界が闇へと変わる。
見えない視界が音や刺激を敏感に感じとって。
リアルな感覚に耐えられず加賀谷の手のひらを引き剥がそうとしても案の定びくともしない。
両手で力いっぱい引っ張ってるのに。
なんで?
「かがや、も、ぉやだああ!!」
さっきから。
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ鳴ってる音はほんとにあたしの?
はじめよりも圧迫感が増したのは、気のせい?
加賀谷が指を出し入れするたびに腰が砕けそうになる。
「かがやぁ…………っ」
〜〜〜〜〜〜〜!!!
弾ける。
これ。
駄目。
「〜〜〜〜〜ッッ!!」
びくん!!
て。
身体がおっきく跳ねた、あと。
漸く加賀谷の指先が、離れた。