第1章 冗談なんかじゃない
「あんたん中ぐちゃぐちゃにかき回して、泣き叫ぶくらいに激しく突き上げて。降りて来た子宮の中、余すことなく吐き出したいって。孕ませたいって」
「ま、待って加賀谷ストップ!!」
刺激!!
刺激強すぎて。
どこからどう拾っていいのかすらわかんない。
「——っ!?」
もう加賀谷の口から飛び出す卑猥な言葉を塞ぎたくて伸ばした両手の平。
を。
今度は加賀谷の舌が、這う。
「かが、や…………っ」
くすぐったくて、引っ込めようとするけど。
加賀谷の手がそれを許してくれない。
逃げられないように力強く押さえられて。
両手が、加賀谷の舌から逃げらんない。
「かが、やぁ…………」
「…………」
舌が這う指先から熱が顔まで上がってくるみたい。
頭までふわふわしてくるみたいで。
おかしくなる。
「…………ほんと、お嬢には敵いません」
見上げた先で、加賀谷が目を伏せて。
あたしの手の甲へと唇をよせた。
少しだけ開いた加賀谷の目から、視線を外せないでいれば。
「今度はこっち、していいですか?」
指先が。
唇をふにふにと、弄ぶ。
「あ…………」
こくん、て。
返事をする前にもうすでに、加賀谷の柔らかい唇はあたしのそれに触れていた。
ついでに。
「んぅ…………っ!?」
いきなり。
舌。
奥まで…………っ
知らずに。
両手は加賀谷の胸元のシャツを握りしめていて。
頭の後ろには枕があるし。
体重かけるみたいに身動き取れない中でこんなキス、するから。
息できなくて苦しくて。
生理的な涙が。
溢れてくる。
「キスってのはこーやるんですよ」
卑猥に引いた糸が切れて。
濡れた唇を舐めながら、加賀谷が意地悪く口角を上げた。