• テキストサイズ

蜜✖️蜜ラバー 〜お嬢様は、溺愛調教中!!〜

第1章 冗談なんかじゃない



「何してんのあんた」



大丈夫か?なんて、背中をさすってくれる手のひらは優しいくせに。
なんで加賀谷の口からは突き放すような言葉しか出ないんだろう。
なんでずっと、あたしを避けてるんだろう。
ずっとずっと考えて。
人生で馬鹿みたいに1番考えて。
たどり着いたひとつの答え。






咽混みながらも視界にうつった加賀谷のネクタイを掴んで引き寄せた。
そのままつま先に重心うつして背伸びして。
加賀谷の唇を、奪う。




「っ」





また、だ。




咄嗟にあたしから距離を取った加賀谷はまた、手の甲で強引に唇を拭って見せた。





「だからお嬢…………っ、こーゆー冗談は」
「冗談じゃないって言ってるじゃない!!」


なんでわかんないの。



…………なんで。


わかんないフリするの。
気付かないフリするの。




「…………好きなだけいてくれていいんで。自分が出てきますから」

「っ」



す、て。
加賀谷があたしからまた、背を向ける。



そう。
また。



そうやっていつも逃げるんだ。






「しょうがないじゃない!!加賀谷が欲しいんだもん!!」




「——————」





「なんで、いつもいつも逃げるのぉ?」




駄目だ。
ここで泣くのは卑怯すぎる。
こんなの武器になんて絶対しない。



「…………知ってんでしょ。気付いてんでしょとっくに」



あたしの気持ちなんて。
お見通しなんでしょう?
避けてるのも。
突き放すのも。





「いい加減ちゃんと振ってよ、加賀谷のばかぁ」





泣かないって。
決めてきたのに。
駄目だ。
目、熱くなってきた。
泣いてるなんて気付かれたくなくて。
ベランダの、まだ少し暑さの残るアスファルトへと座り込み。
手をついて俯いた。
/ 47ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp