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蜜✖️蜜ラバー 〜お嬢様は、溺愛調教中!!〜

第1章 冗談なんかじゃない




この人たちには散々迷惑かけたし。
あたしの知る限り。
三園に悪いところなんて見つからないわけで。
お世継ぎ問題に堂々と巻き込まれてもいっかー、なんて。
思い始めた夜。



「お嬢」



いつになく切羽詰まった声色に目を開けて。
時計を見れば夜中2時を回ったところ。
こんな時間に三園ひとりでくるとか、何かあったに違いない。
夜着に急いで上に羽織だけ乗せて。
ドアを開けた。



「慧が撃たれました」





夜着のまま駆け出したあたしの手を掴んで。
三園が低い声で指示を出す。


「手術は1時間ほど前に無事終わってます。送りますから、着替えてください」



車の中でも、三園はずっと無言で。
いつもの軽口がないこの状況。
不安で不安で仕方ない。
撃たれたって?
怪我は酷いの?
手術終わったなら、無事ってこと?
なんにもわからない状況が、ますます不安にさせるの、わかってるはずなのに。
なんで何にも言ってくれないの?
いつもなら嘘でも慰めの言葉とか、不自然なくらい出てくるじゃない。
なんで。


————加賀谷!!





「どうぞ、そろそろ目、覚めたと思いますよ」
「え。…………一緒に行かないの?そんなに酷いの、加賀谷」
「ご自分で確かめたらいいのでは?」



嘘。
なんで。
そんなに酷いの?
撃たれたって。
どこ?



震える手で個室のドアを開ければ。
微かに聞こえる話声。


あ。


「…………おとう、さん?」


「お嬢?なんで」
思わず漏れた声で、加賀谷がこっちを見て、驚いたように目を開けた。


「俺が三園に呼びに行かせた」
「は?なんで」
「なんでじゃねェ。てめぇでかたつけろ」

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