第2章 目覚めの珈琲
「そっか、残念だな……」
「あ、でもベッドはかっちゃんの家にあるよ!外にあるから、明日見に行く?」
「え、本当?行きたい!」
そう言ったところで、私はあることを思い出した。
「そういえば外にある車って誰の?」
すると、いずくんはわかりやすく顔を引き攣らせた。
「か、かっちゃん家の……」
「確か同じ歳くらいの男の子がいるんでしょ?その子は来てないの?」
すると、出久は俯きながらもじもじと服を掴みながら手遊びを初めた。
これは、嫌なことがあったときにやる癖だ。
「あ、ごめんね?嫌なら言わなくても……」
「どうせそのうちバレちゃうからいいよ。かっちゃんも来てる……、でも凄いやつだけど、怖いから一緒にいたくないんだ」
今にも泣きそうな顔で俯き続けるいずくんの背中を撫でつつ顔を見つめる。
「その子が今いずくんの家に来てるの?」
「……うん。お母さんがちゃんを迎えに行くまで一緒にいたよ」
「そっか……。ならその子が帰るまで一緒にいようね」