第1章 お嬢様、誘惑する。
「…………ほんとに、いつも想像の上をいく」
「褒め言葉でしょ?」
「もちろん」
いつも余裕ぶってる憎らしいその表情が、今は余裕なさげに熱を持つ。
時折見せる吐息が、官能的すぎて知らずにお腹が熱くなってくの、感じた。
絶対ハイセには気付かれたくなんかないけど。
「ねぇ、そろそろ直接触っていい?」
「駄目」
「でもすごく辛そう」
「誰のせいでしょうね」
ふふ。
楽しい。
こんなに余裕のないハイセ、初めて見た。
「…………だ!!…っから、そんなことしなくていいんだって!!」
下着を下へずらしてそれを取り出して。
両手で握る。
自分の唾液を垂らして上下に擦れば。
ハイセがつらそうに後ろのソファへと身体を預けた。
「…………わかった。わかりました。言う通りに全部、従うから…………っ。これ、外して皇」
擦っていた両手でぎゅ、て。
力を入れれば。
ハイセの顔が苦痛に歪む。
「…………お嬢、さま」
「よく出来ました」
ハイセがいつもするように笑って。
俯いた途端に流れた髪の毛をすくって耳にかけて。
「————!!皇…………っだからそんなこと」
「黙って」
おっきくなったハイセ自身へと、舌を這わせた。
「…………ッッ、ぅ」
ちゅくちゅく
じゅ
じゅ
って。
効果音と。
ハイセの。
吐息。
それだけが支配する、空間。
「皇…………っ、も、いいから…………っ」
手と、舌を使って愛撫する度におっきくなる気がする。
はいる?
口の中、はいるの?
こんなもん。
ってゆーか。
いつもこれ。
挿入ってた、の?
仕掛けたのもあたしだし。
いまさらなんだけど。
一瞬だけ怯んだ。
のは。
確かだ。