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奥まで愛して —お嬢様✖️溺愛執事—

第2章 完璧執事は高校生



…………あ。


そうだ。
このキスは知ってる。
甘くて優しくて。
頭がとろとろに溶かされる。
ハイセのキス。



変わらない。
ハイセの、キスの味。




だけど。



「——————ッッ!?」





甘いキスに酔いしれていれば。
突如襲った強烈な下半身の、違和感。






…………動かない、って。


言ったのに。





苦しさに唇を放そうとすれば。
逃げられないように体重がかけられて。
キスからも。
ハイセからも、逃げられない。





「や…………っ」



なんとか顔だけそらして思い切り息を吸い込むと、ハイセの掌がそれを阻止する。
そのまま喉奥まで、ハイセの舌が入り込み。
同じようにハイセが激しく腰を、打ち付ける。





「ふ…っ、ん、んぅ」




違う。
こんなの。


ハイセじゃない。



全然、気持ち良くなんかない。




痛い。
怖い。
苦しい。



こんなの違う。





こんなハイセ、知らない。




ただただ欲求をぶつけられるだけの行為に、知らずと涙が溢れた。






だけど。



それでも。



ハイセが他の女を抱くよりはずっといい。
あたし以外見ないで。
もっともっと、執着してよ。
いつもみたいに、独占欲丸出しでしつこいくらいにあたしを束縛してよ。
あたしだけを見て。
あたしにだけ笑いかけて。
他の誰とも喋らないで。
もっともっと。
あたしに溺れて。




「…………っ、めん、俺、痛かっ…………!?」


「平気」
「え」
「痛くない。もっとして。もっともっとぶつけて吐き出して」



あたしだけ。
あたしにだけ、触れて。




お願い、ハイセ。



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