第12章 私のヒーロー 谷崎潤一郎
足音が止まる。
何を言われても仕方がない。覚悟を決める。
え、、、?谷崎くんに抱きしめられていた。
「よかった、無事で。」
『ごめんなさい。』
私の手は谷崎くんの背に回っていた。
「襲われていた女の子、君にすごく感謝してたよ。でも、それでに何かあったら僕は堪えられない。」
『あの時谷崎くんの顔が浮かんだの、助けてって。本当に助けに来てくれた。谷崎くんは私のヒーローだよ』
『助けてくれてありがとう。』
「狡いよ、怒れないじゃないか」そう言い乍ら、離れる谷崎くん。
やっと目が合った。
互いに吸い寄せられるように距離が近くなる。
「好きなんだ。のこと。ずっと前から」
『私も谷崎くんのこと好き。』
自然とお互い目を閉じ、唇を重ねる。
深く、深く。