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文豪ストレイドッグス 短いお話 【R-18】

第12章 私のヒーロー 谷崎潤一郎


声をする方へ向きたいが、それすらもできない。

『谷崎くん!!た、助けて。』

「お前、になんて事してくれたんだ。死にたいのか?」
谷崎くんが本気で怒っている。声だけでわかる。

男「にいちゃん、俺に勝てるとでも?」

『この男触れたものの動きを止める!気をつけて!!っう!』
「!!!っく。」

私は男に殴られ、意識を失った。


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目が覚めると見覚えのある天井だった。
探偵社の医務室に運ばれていたのだ。

ナオミ「よかった、さん。大丈夫ですか?無茶して!ナオミ心配しましたわ!」

『ごめんね。あっ、谷崎くんは?あの男は?』

ナオミ「兄様なら、あの男を警察に引き渡してますわ!兄様があんな男にやられるわけないですわ。」

『よかった。』安堵した、谷崎くんが無事で。

ガチャっと扉の開く音がした。

谷崎くんだ。
そっちを見るも、顔を晒された。
きっと怒ってる、朝の約束を破ったし、少しでもナオミちゃんを危険な目に遭わせたのだから。

ナオミちゃんは事情聴取のため警察に同行するらしく、部屋を出た。


『ごめんなさい。約束破って、ナオミちゃんを危険な所へ連れて行ってしまって。本当にごめんなさい。』

涙が溢れそうになるのを必死に堪える。

私は谷崎くんが好きだ。
でも彼には妹であるナオミちゃんが大切で1番なはず。
その彼女を危険な目に遭わせかけたのだから、嫌われた筈だ。


足音が近づいてくる。


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