第10章 可愛い彼の裏の顔 中島敦
太宰さんにはほんとに困る。
ずーっとあの調子でいられると仕事が回らない。
太宰さんが冗談でほっぺにキスなどは昔からなので、慣れている。
しかし、最近敦くんと付き合った。
彼もいるので、太宰さんとのスキンシップや距離感を考えてはいるのだが、太宰さんはお構いなしにくるので余計に困る。
敦くんはいつも困った顔で見てくるが、何も言ってこない。
もちろん信用してくれいるからだとは思うが、少し寂しい気持ちもある。
敦くんが調査を手伝ってほしいとの事だったので、着いていったが終始敦くんは無言だった。
どうしたのかな?とは思ったが、考え事してるのかもしれないと思い声はかけなかった。
目的地は路地裏のようだが、何もない。
少し不安になり、ここであってるのか聞くも無言で近づいてくる。
身体は自然と後ずさる。
背中に壁が着いた瞬間、敦くんの両手が私の顔の横へ。所謂壁ドン。
彼の目を見て分かった、そう怒っている。
敦くんの顔はそのまま近づき、唇が触れ合う。
『「っん。」』
啄むようなキスを繰り返していると、彼に唇を噛まれる。
大人しく口を少し開けるとヌルっと舌が入ってくる。
『っん。くちゅ。っンふ』
唇が解放される。
「太宰さんとあまり仲良くしすぎないでください。」彼からの言葉にやっと気づいたのだ、彼が怒っている理由が。