第5章 守るもの 芥川龍之介
----翌日----
バンバン!
荒れた工場地、銃声が響き渡る。
今日も敵組織の残党処理だ。
私も微力乍ら応戦をする。
芥川くんは私よりも、高い位置で大暴れ中。
おそらく4階くらいだろうか?
中島敦くんに出会ってから彼は変わった。
人を殺さなくなったのだ。
少し中島敦くんに嫉妬する。
芥川くんの後ろで倒れてた男がふらつき乍ら立ち上がり、彼に近づいた。
手に何かを持っている。
『芥川くんっ!!!後ろ!!』大声で叫んだ。
避けたかに見えたが、彼は腕を押さえている。
銃弾が飛び交う中、咄嗟に私は身体が動いた。
彼の元へ向かう。私が走り出したことに気づいた樋口ちゃんも私を守りながら着いてきてくれた。
樋口「先輩っ!!」
芥川くんは大量の汗を額から流し、左手を抑えている。
芥川くんを襲った男は彼によって気絶させられている。
手元を見ると注射器だ。毒を盛られたかもしれない。
大量の汗に、左手の痺れ、目眩。
この症状からだと恐らくだが、テトロドトキシンが毒の正体のはず。
微量で死に至る。私は解毒剤を打つ。
私は銃ではなく医療道具やさまざな解毒剤を携帯している。
こう言う時の為に。
黒蜥蜴が応戦してくれたおかげで無事残党処理も終わる。
芥川くんはまだ回復はしてないが、ひとまず安心だろう。
樋口ちゃんと芥川くんを運ぶ。
ドーン!っと大きな音と共に突風が私たち3人を襲う。
私の身体は吹っ飛んだ。