第35章 猪口齢糖より欲しいモノ 江戸川乱歩
仕事終わりは乱歩さんともともとデェトの予定。
いつもなら楽しみでワクワクしているが今日はなんだか気分が重い。
あまり時間を気にせずに仕事に専念しよう、、、、。
時計の針は18時を指した。
ほとんどの社員は定時で帰宅する。
乱歩さんの姿を探すも見当たらない、仕方がないので用意だけして事務所で待つことにした。
数分後、、、、
「ありがとう、与謝野さん!これで当分駄菓子を買わなくて済むよ!」
「それはよかったよ、今度はに連れて行ってもらいな、、、おや?、、、もしかしてこの後乱歩さんと出かける予定だったのかい?」
『おかえりなさい!、、はい、私も書類整理とかしてたのでちょうどよかったです!」
咄嗟に嘘をついた。
本当は定時で仕事を終わらせていたけど、なんとなく気まずくて。
「そうかい、悪かったねぇ。それじゃ妾は帰るよ」
『お疲れ様です!』
与謝野さんを見送ると、ふと乱歩さんの視線が気になり振り向くと真剣な眼差しをした彼と目が合った。
『どうしましたか?』
「ねぇ、別れようか」
『えっ、、、?』
彼の言葉で室内の空気が一気に重くなった。