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文豪ストレイドッグス 短いお話 【R-18】

第34章 猫の恩返し 中原中也


慌てて振り向くと先程までいた建物は炎に包まれていた。

「ッどういうことだ、、、」

突然のことに頭が回らなかったが、目の前にが現れたことで冷静になった。

にゃーん

「、、、まさか手前俺のこと扶けてくれたのか?」

にゃーん

はぴょーんと軽やかに俺の肩に飛び乗り頬擦りをした。
まるでそうだと云っているように、、、。

「、、あん時は一ヶ月って云っちまったが、、、気が付けば手前がいることが当たり前になってた。あの日窓開けて出て行ったことすげぇ後悔した。」

俺の話を大人しく聞くに俺は言葉を続けた。

「なぁ、、一緒に暮らさねぇか?もう一度、、、今度は手前が死ぬまでずっと一緒だ、、、」

は俺の唇をひと舐めすると、肩から飛び降りた。

そして、、、走り去って行った。


それがの答えだ。

だから俺は追わなかった。

は自由を選んだのだ。


「猫にフラれるなんてなっ、、、」

自分自身を鼻で笑った。

そんな時ふと太宰の言葉を思い出したのだ。

"中也知ってるかい?猫って恩返しするらしいよ?"

「猫の恩返しってやつか、、、」

はもしかしたら俺に恩返しをしに現れたのかもしんねぇ、、、、。

一歩間違えれば自分も死ぬかもしれなかったのに、、、

それに気付いた瞬間、胸の奥が熱くなった。


その時タイミングよく電話が鳴ったのだ。

相手は、、、

「ンだよ、糞太宰」


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