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文豪ストレイドッグス 短いお話 【R-18】

第34章 猫の恩返し 中原中也


"次の幹部は間違えなく中也だ。つまり彼は常に誰かに命を狙われている。"

中也さんは同じ組織の人間から命を狙われているのだ。

もしポートマフィアの情報屋として生きる道を選べば、自由に動けなくなる。

それに拠点内で態々中也さんの暗殺計画を立てる人間もいない。

当たり前だがバレればすぐ処刑だ。

中也さんのそばにはいたい、、、でもその道は籠の中の鳥、、、

今までと同じ。

だから私は後者を選んだ。

今度は私が彼を扶ける番なのだ。



此処の書店を紹介してくれたのは太宰さんだ。

店主のおじいさんが怪我で動けなく、おばあさん一人では大変ということでアルバイトを募集していたのだ。

それなりにお給料も良く怪しかったのだが、ここの店主は地主さんらしくお金には困っていないんだとか、、、

書店を開いたのは趣味で集めた本が大量に増えて、捨てるのも勿体無いということで始めたのだ。

意外とお宝もあるらしくマニアが通うようになりお店を閉めることもできず困っていたんだとか、、、、

そんなこんなで私は此処で働くことになったのだ。


此処の書店はヨコハマといっても街外れだ。

人もまばらで、静かな場所。

そんな場所には夜、闇の人間たちが集まり取引が行われる。

太宰さん曰く、中也さんを殺すとしても自分では手を下さずに殺し屋に必ず頼むと云うのだ。

万が一、自分の手を汚しバレたとなれば中也さん派の人間に殺されるからだ。

その点、殺し屋には自身の素性を隠し依頼をすれば足がつかずに済むのだ。

私はここ一ヶ月昼は書店で働きながら、夜は猫になり情報を探っている。

幸いなことに今のところは中也さんは狙われてはないようだ。



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