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文豪ストレイドッグス 短いお話 【R-18】

第33章 出逢いと別れ 中原中也


『本当はあの日死んでいたの。私にはもう帰る場所もなにもない、処刑するならさっさと済ませて』

太宰の鋭い視線にもは動じなかった。

「流石は裏の社会で育っただけあって肝が座っているねぇ。君のように凛として気品のある女性は中也のタイプにピッタリだ」

『ッ!彼には、、、黙っていて、、私は逃げたとそう云って』

「へー、中也にだけは知られたくないんだ」

この時初めては少し感情的になった。

『私が処刑されたと知ればきっと、、、悲しむ』

「裏切り者の処刑は当たり前のことだよ?」

『ええ、そうね。でも彼は優しいから、、、、きっと悲しむ。彼を悲しませたくないの。お願い、私を処刑するのは構わない。でも、、、中也さんだけには秘密にして』


「ふふ、判ったよ。約束するよ、君のことは秘密にしよう」

太宰は胸元から銃を取り出し銃口をへ向けた。

『ありがとう、、、太宰さん』

は覚悟を決め瞳を閉じ、一粒の涙を溢した。

「ずるいねぇ、、、最期に名前を云うなんて、、、」



バァン!


一つの銃声が部屋に静かに響き渡ったのであった。




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