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文豪ストレイドッグス 短いお話 【R-18】

第23章 アバンチュール  太宰治


"人を救う側になれ"恐らくその言葉を彼に与えたのは織田さんだろう。


太宰さんが4年前に消えた理由がなんとなく判った。

私は手をそっと後ろに回し、あるモノを掴もうとするも見つからない。

「ふふ、探し物はこれかい?」

『ッ!』

彼の手には拳銃が握られていた。


「ふふ、私を捕まえるのかい?」

『貴方は組織を裏切ったんです、必ず捕まえます。』

私はポケットからナイフを取り出した。
引き金を先に引かれるか、それを阻止できるかは腕次第、、、、。

でも自信はある。

中也さんが教えてくれたのだから、、、。

「ナイフかぁ、、、。恐らくこれだと私が先にやられてしまうね。」

『なら、銃を返して下さい。』

「仕方がないねぇ。はい、返すよ。」

『ッ!!!』

彼が拳銃を此方へ投げた瞬間、ほんの一瞬だけ彼から気が逸れた。

その瞬間だった。

「ふふ、これじゃあ中也にお仕置きされちゃうね?」

『ッ!離して下さい!』

ほんの一瞬の隙に私は太宰さんに手を引かれ、彼の胸の中に閉じ込められた。


「逢いたかったよ、、、。」

『ッ、、、やっ、、、んぅ!』

簡単に唇を奪われた。

ほんの少しの隙間から彼の舌が口内に忍び込み、私の舌を見つけ出し絡めてくる。

『んぅ、、くちゅ、、や、、、んぁっ、、くちゅ、、、』

こんな苦しい接吻(キス)は久しぶりだった。

息が持たない。

彼の胸を叩き、抵抗すると、、、

ちゅぱっと音を立てて唇が解放された。

「ふふ、相変わらず接吻をすると大人しくなるね?私の調教のおかげかな?」

『離して下さい!私はもう、、、貴方の人形じゃない!』




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