第21章 堕ちる。 フョードル・ドストエフスキー
太宰「今日は遅くなるから、先に寝ててね!」
『はい、お気をつけて。』
太宰さんをお見送りし、私のできる範囲で家事をこなした。
時計を見ると14時を指していた。
買い物にでも行こう。
そう思い、街へ出た。
ヨコハマの街は相変わらず人で溢れていた。
友達、家族、そしてカップルたちで賑わっていた。
カップル達にどうしても目がいく。
彼は今頃どうしているのだろう、、、、。
そんなことが頭を過ぎる。
フョードルくんのことが大好きだった。
でも彼はそれだけでは足りなかった。
彼からの愛は深く、そして重い。
そんな彼が怖くなってしまい、私は逃げ出してしまった。
考え事をしながら歩いていたせいで、人にぶつかってしまった。
『ごめんなさいっ!、、、、はっ、、、』
「探しましたよ、?何処へ行っていたんですか?」
優しく微笑む彼、でも瞳は笑っていない。
逃げなくちゃ、、、、
頭の中では判っている。
でも、身体は硬直し動かなかった。
いとも簡単に彼に手を掴まれる。
「ふふ、そんな怯えた顔しないで下さい、、、、。」
『ッ、、、やっ、、離して、、、』
「いいのですか?、、、貴女のお友達が死ぬことになりますよ、、、?」
『ッ!!』
彼の手には私と太宰さんが写っている写真が握られていた。
その写真は今朝撮られたものだ、、、、。
「私が合図を出せば、銃撃班が彼を撃ち抜きます。それでもいいのですか?」
『、、、やめてください。太宰さんは関係ないです、、、。』
「ふふ、いい子ですね。」