第20章 良薬は口に逃がし 中原中也
『んっ、、、。』
目覚めるとそこは見覚えのある景色だった。
然し、家主は見当たらない。
任務の後、倒れてしまったんだとすぐに理解した。
みんなに迷惑をかけてしまった、、、、。
時計に目をやると15時を過ぎていた。
この後の任務なら、まだ間に合う!
ベッドから降りようとした時だ。
ガチャっと扉が開いた。
いい香りと共に現れた人物、、、、
『中也さん、、、、』
「目ぇ覚めたか?体調はどうだ?」
『おかげさまで、だいぶよくなりました。』
「そりゃ、よかった。ってかなんでベッドから出ようとしてんだぁ?」
『え?この後の任務ならまだ間に合うと、、、、痛っ!』
ヒリヒリした痛みがおでこに広がる。
「莫迦野郎、んな身体で任務なんか無理だ!今日は休め!」
『でも、、、、』
「でもじゃねぇ。これは"幹部命令"だ。」
『うっ、、、判りました。』
私が折れると途端に機嫌が善くなる彼。
「そうだ、ほらこれ食え。」
『おかゆ、、、?中也さんが作ってくれたの?』
「まぁな。手前は軽すぎる、ちゃんと食わねぇから倒れちまうんだ。ほら、、、」
『へ?、、、、』
手の前に差し出されるのはスプーンに乗ったおかゆ。
もしかして、、、、と思い口を開くと優しい味が口内に広がった。
『美味しい、、。』
「だろ?ほらまだまだあんぞ?」
再び差し出されるスプーンに私は口を開いた。