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文豪ストレイドッグス 短いお話 【R-18】

第20章 良薬は口に逃がし  中原中也


時計に目をやると15時を指していた。

そろそろが任務から戻ってくる頃だ。

一通りの書類確認は済んだことだし、を出迎えてやるか!

そう思い、ロビーへ向かった。

タイミング善く遊撃隊が戻ってきたところだった。

の姿を探すが、見当たらない。

何かあったのではないかと不安が過ったその時だった。

樋口「あっ、中也さん!」

樋口に呼ばれ、振り返ると、、、

目の前の光景に一瞬息が止まった。

「っ!!」

芥川に横抱き、所謂お姫様抱っこをされたの姿が目に入ったのだ。

頬は赤く、ぐったりとして、呼吸も浅い彼女に慌てて駆け寄った。

芥川からを受け取り、すぐさま医療班の元へ彼女を運んだ。


医者からは疲れだと診断された。
確かにここ数ヶ月は働き詰めだった。

遊撃隊はハードで有名な部署、その中でもはかなり優秀な方で、任務にも立て続けに出ていたようだ。

同じ職場だが、ここ最近は互いに忙しく、なかなか顔を合わせる暇もなかったので、の異変に気付いてやれなかったことを後悔した。

点滴を打ち終えたを横抱きにして、自身の部屋へと向かった。

を持ち上げた瞬間、改めて彼女の軽さに驚いた。

ちゃんと飯を食わせねぇとな、、、、。

のことだ、忙しいを理由に飯を食わなかったに違いねぇ。

そりゃ、栄養をとらねぇと体調を崩すだろうし、治るもんも治らねぇ。

眠っているの額にそっと口付けし、俺は一度部屋を出た。



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