• テキストサイズ

【R18】カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く【禪院直哉】

第3章 直哉のお土産



その…壁に取り付けられている
電気のスイッチを直哉が入れると。

パッっと…その階段の電気が付いた。

『元貯蔵庫だけあって…
年中…気温と湿度は一定…。
夏場は…涼しいて…過ごしやすいで?』

そう言いながら…地下に続く
階段を…直哉が降りて行く。
が…その後を降りて行く。

その…階段の先にも…
扉があって…、扉を開くと。

その先にあったのは…。

小上がりになって作られた、
畳みの敷かれた場所と…。
その奥に…見える…仰々しい
木製の格子が見えていて。

『俺が…作ったんとちゃうで?』

「座敷牢…」

『……見たらわかるやろーけど、
この座敷牢は…元々
この家にあったもんやねん…。
アンタも…呪術師の…端くれの
家に…生まれたんや…。
呪い…に近くなり過ぎて…
たまぁ…に…、イカレてまうやつがな…
一族の中にも…おった…ちゅー話』

そのまま…直哉が…話を続ける、
元々…この屋敷は…療養地…として
人里離れたへんぴなこの場所に
静かな療養環境を求めて建てられた。
建物が…複数あるのも…
そのせいで…中庭が整って居るのも
療養をする物の心を慰める為。

『……そんな…なってもーて、
どーにも手ぇ…付けられへんのを…
こん中に放り込んでたみたいやで?
四六時中…何もおらん方に
呪いがおるおる…言うて…
払おうとするやつとかな…?』

呪いは…呪力がなければ…見えない、
しかしそれは…呪力がある者が見れば
そこに呪いが居るか居ないかは
一目瞭然なのだ…。

ありもしない呪いが…見える…
そんな者を…呪いを払うのに…
連れては行けない……。

ぞく…っと…背筋が…寒くなった。

本当にここは…療養地なのだろうか?

療養地とは名ばかりな…、

処刑地…だったんじゃ…ないかって…。



/ 204ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp