第1章 1話
- 夢主side -
高校に入って2回目の桜の舞う季節がやってきた
そして私たち1年は2年に上がり
新しく1年が入学してきて数日が経つ
『…排球部…誰か入ったかな』
「気になんのか??」
『そりゃ一応マネージャー…だし』
そう、私… はこの高校の
排球部のマネージャーだ
「なら行けばいいじゃねぇか」
『貴方がいない部活なら私も行かない
でも、貴方が部活に行くなら私も行く
貴方が何て言おうが絶対行かない
潔子ちゃんには悪いけど…もう決めたから』
「っ…好きにしろ」
『うん』
私は幼なじみである西谷 夕が
排球部に行かないなら行かない
だって、私がバレーの知識を身に
つけたのは夕の為なんだから…
それでも…1年マネージャーとして
見てきたから、少しは気になる訳で…
『はぁ…どうしたら
部活に顔だしてくれるかな…』((ボソ
夕のバレーしてる所かっこよくて好きなのに…
あんな事さえなければ
今もリベロとして皆と部活してたのかな
夕だって素直になればいいのに…
そう思って部活に行かない日々が過ぎていった
──────
「俺、部活に顔出してくる」
『ん、分かった…え??今…何て??』
「だから、部活に顔出してくる、じゃっ」
ある日の放課後
夕は急にそう言って体育館に向かって行った
『ちょ、西谷!?待っ…私も行く!!』
私も急いで夕の後を追って行った
- 体育館 -
『っ…西谷!!』
やっと追いついたと思って声をかけた瞬間だった
「…」
勢いよく体育館の中に入って
誰かのサーブを受ける体制に入る夕
その表情は真剣そのものだった
そしてそのサーブを受け
ボールは夕の両前腕に当たり
ふぁっと宙を浮いてセッターのいる
位置であろう場所に優しく落ちていく
所謂、サーブレシーブをしてみせた
『…はぁ、心配して損した』
「おおっ、すっげえサーブじゃねーか
すげえ奴入って来たな」
「「…」」((ぽかーん
『馬鹿、急に入るから
2人とも固まってるじゃない…』
「え??」
「おお〜っノヤっさぁ〜ん!!
それにさんじゃないっすか!!」
「おーっ龍ーっ」
『お疲れ様、龍』
なんて言っていると部活メンバーの
1人、田中 龍之介が喜びながら話しかけてきた