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<HQ>烏野の天使(R18)

第2章 2話



「しつこいな〜先生」

「…ハイ、それだけが取り柄です」

「何回言われてもコーチなんかやんねえよ
監督やってたのは俺のじいさんあって
俺は人に教えるなんてガラじゃねえ」

武田がここに来た理由…
それはこの店の店番をしている人物
烏養 繋心にコーチを依頼するためであった

彼は烏野高校出身の排球部OB
そして噂の烏養監督の孫である

「…君は高校でも大学でも
後輩指導に長けてたと聞いています
それから相手校の分析も鋭かったと
…才能じゃないですか」

「誰だ、そんな事しゃべった奴…
…けど、そんな風に褒めたって
所詮俺なんか若造だ
あんたが欲しいのは技術指導者もだけど
何より”名将・烏養”の名前だな??」

コーチを依頼する理由を見抜かれた武田
だが、彼は引き下がる訳にはいかなかった

「…正直に言えばそうです
烏養監督が退かれてからだんだんと
他校とは疎遠になって」

「…」

「今年、穴埋めみたいに入った
素人の僕なんかではなかなか
練習試合も取りつけられないんです
…悔しいですが」

「”名将”の名前があれば
それも変わるカモ…ってか??」

「…」

その通りであった
烏養がコーチになってくれたら
澤村達が練習試合を出来るかもしれない
その可能性があると武田は思っている

「けど俺はくそめんどくさい
高校生のお守りなんかごめんだ」

「…また改めて来ます」((ペコ

「…だからやんねえつってんのに」

「しつこくてすみません…
でも…あの子らの試合を見てもらえたら
その理由もわかってもらえると思うんです」

「…」

「失礼します」

意地でも引き受けない烏養に武田は
また来ると言い、その場を去ったのだった

───

学校が終わり部活に行く前に
菅原はとある人物の元に足を運んでいた

「…おう、お前か
話すの久しぶりだな、スガ…
なんか変な感じだな」

菅原に話しかけた人物…それは
烏野高校排球部の3年、東峰 旭であった

「…たのむ、戻ってくれよ旭
西谷ももう部活停止が解けて戻ってくるんだ」

「…そうか、良かった
西谷が後ろに居てくれれば心強いもんな」

「お前だってそうだよ!!
お前がトスを呼ぶだけで皆心強く思ってるよ!!」

「…気持ちは嬉しいけど…俺が
戻ってもまた皆の足を引っ張っちまう」

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