第2章 2話
皆の足を引っ張る───
それは約3ヶ月前の事を言っているのだろう
東峰はあの1件をずっと引き摺っていた
「…今、チームは確実に変わってるんだ
悔しいけど…1年に凄いセッターが入ってきた
それに───”最強の囮”が居るんだ
もうお前ばかりに負担が
かかったりしないんだ…!!
西谷もお前もまた戻ってきて
そこに新しい戦力も加わったら烏野は
もう「落ちた強豪」なんかじゃなくなる…!!
その為には大黒柱のエースが」
「悪い…スガ」
菅原の説得も虚しく、
東峰は席を立ち教室を出た
「やっぱお前先行けよっ」
「はぁ!?お前がエース
見たいって言い出したんだろ!!」
「だって3年の教室なんて恐くて入れない」
「待てよ旭!!」
教室を出た東峰の後ろで騒いでいる人物2人
そしてその2人は菅原の声に反応を示した
「「”旭”!?」」
「??なに??」
「「!?」」
名前に反応した人物2人は日向と影山
そして呼ばれて振り返る東峰
この後4人は少し話をする事になる
一方その頃職員室にて武田は
電話で何処かと連絡を取っていた
「───はい、はい
!!あっありがとうございますっ
いえこちらこそ何度もすみませんでした…
…はい…はい、では6日9時に、はい
伺いします、ありがとうございます
はい、失礼します…〜よしっよしっ!!」
ガチャと受話器を置き、一呼吸おいてから
嬉しさの余り武田はガッツポーズをする
すると他の先生に注意された
「うるさいですよ武田先生」
「あっスミマセン…大きなチャンスだ…!!
きっと…きっと何か変わる…!!
…最高の相手だ…!!最高の状態で臨まなきゃな!!」
武田の手に握られているメモ用紙には殴り書きで
合宿 5月6日 練習試合 AM9:00 と書かれている
果たして連絡を取っていた先は何処で
何処と練習試合をする事になったのか
これもまた少し先の話になる