第2章 【妊娠、出産編】
海人と俺は肌を合わせるようになって
もう3年めやけど。
3年目の浮気で悪名高い年数とは思えんくらい
俺らに倦怠期なんか皆無で。
いつまでも、こんなふうに
おりたいなって…
運命とか永遠とか
そんな目に見えんもんには興味ないけど
こんなふうにお互いを求めあって
海人と笑って過ごせる今が
積み重なって過去になってくなら
そんな海人と子どもまで持てて、
思い出が増えてくなんて…
俺の人生幸せやなって思う。
*
明日は海人がイギリスから帰って来る予定の日。
海人のかっこええとこは見たいけど、
離れてるときに見るとあんまいいことないこと
わかっとるから自然とデジタルデトックス中の俺。
はよ明日にならんかなぁ?!
この日を指折り数えとったもんやから
うきうきしてたまらん。
海人が帰ってきたとき居心地いいように
いつもより念入りに掃除を済ませて、
明日はちょびっと早起きしてシーツの洗濯しよ、
とか考えて早めにベッドに入る。
羽毛布団が俺の体温を抱え込んで
暖まってきた頃、インターホンが鳴った。
こんな時間に誰?!こ、怖いんやけど、、
何で俺ひとりのときに…
せっかく暖まってきた布団から渋々抜け出し
恐る恐るモニター画面に近づく。
と―――、
「かい?!な、何で?!?明日やないん?!」
「えへへー!ドッキリ成功!!笑
廉にびっくりしてほしくて1日ズラして
教えてたの🎶ただいま!」
「アホやん…」
玄関先から鍵穴に差し込む音がするから
急いで玄関まで向かって出迎える。
デトックスしとったせいで、
ほんまに3日ぶりの海人がそこにおって…
靴を脱ぐために上がり框に腰を下ろしとった
海人の背中に抱きつく。
「海人、おかえり…」
「えへへ、びっくりしたぁ?笑」
「びっくりしたなんてもんやないし!!」
「やった!ドッキリ成功じゃん!笑
てか、廉、、それ…何?」
靴を脱ぎ終わってこっちを向いた
海人の指差しとる先に目線を移す。
「ち!!ちゃう!!これ…は、間違って!!」
「……ふーん?
間違って、オレのパジャマ着ちゃったんだ?笑」
「そ!そうやけど!?」
海人が、にまにましながら俺を見とる。
腹立つ!腹立つ…!!