第2章 【妊娠、出産編】
「や…その…妊娠中とはいえ
我慢させすぎたらよくない言うし…
俺も一応、男の端くれやから
できんのが続くとツラいのもわかるし
それに海人、平均より絶倫寄りやと思うし…」
言いにくそうに
こんなことをもじもじと言い出すもんだから
ほんっと廉には困っちゃうよね…苦笑
「待って待って笑
ひとのこと、何だと思ってんの苦笑」
「え…やから、絶倫寄りと思っとるけど…」
「まぁ、確かに廉との夜を思い返したら
心当たりはありすぎるけど…苦笑」
「あるんや…やっぱ、そういう感じか、」
「やっぱってなに苦笑
けど、誰にでもそうじゃなくて廉だからだし。
廉じゃなきゃやだよ?!」
オレの言葉にわかりやすく目をらんらんと輝かせて
「ほんなら安定期入るまで待っとってな?
ご希望やったら手伝うし!」
たとえガマン期だったとしてもこんなに可愛い
廉がいるのに…廉を悲しませるようなこと
オレができるわけなくない?
オレがどんだけ廉に惚れてるか
わかってるようでわかってないんだから…
なんて、幸せなため息を吐く。
*
「そういや廉、つわりは大丈夫?」
いつもと変わらず食事をとる廉に訊いてみる。
「おん。それは大丈夫っぽい。
よぉ白米が炊ける匂いがあかんとかいうけど
俺はそもそも炊かんし笑
海人が炊いてくれた白米を
変わらず美味しく頂いちゃってますよ笑」
「それなら、よかったけど…」
だけど、間食をしない派の廉がいつも何か食べてて…
グミを常備するようになっちゃったもんだから
廉のちっこいバックに入りきらなくて
ちょっとだけ、サイズアップした鞄を
持ち歩くようになった廉。
元が細すぎるせいもあるんだろうけど
まだ妊娠初期なのに体重の増加が著しいらしい。
「あぁ…明日の検診嫌やなぁ…」
「そっかぁ…
一緒に行ってあげられなくてごめんね?」
「それはいいんやけどさ…
また怒られるんよ?!しかも俺より明らかに
体重ありそうな看護師さんから節制してください
って怒られるんよ?!腑に落ちんわぁー!」
「廉の気持ちはわかるけど…!笑
看護師の立場からしたら自分の体型はさておき、
増加率みてそう指導するしかないんだから
そこは許してあげてよ苦笑」
「まぁ、それもわかんねんけど、。」