第2章 ❄︎大人になるということ。〜爆豪勝己2
爆豪から視線を逸らされたは観念したようにはぁーと息を吐き表情を変え、
『みんなごめんね、久しぶり。元気だったー?』
照れくさそうに両手を合わせながら首を傾げると、毛先の巻かれた長い髪とと耳元のイヤリングが可愛らしくそれに合わせて揺れた。
「元気だったはこっちのセリフだろ!今まで何してたんだよ!?」
「そうだよ!みんな心配してたんだからね!」
「てか、ちゃんすごい変わっとる…!超可愛くない!?」
「い、色気ムンムン…」
『う、うん…えっと………』
「それより!ヒーロー辞めちゃったの?今何してるん!?」
『普通の仕事だよー?』
「なんで連絡してくれなかったの!」
『スマホ壊れちゃって…』
「でもお会いできてよかったですわ…!」
『やおよろず…ごめんね』
「新しい連絡先教えろよな!」
『う、うん、そうだね』
「かっちゃん…もしかして、さんのこと、かっちゃんが呼んだの?」
「………まぁな。」
なんだかんだこの場を楽しみ始めたのか、話に夢中になっている。だが、皆が気になっている核心的な質問ついてはのらりくらりと上手くかわしているようだ。そんな彼女をつまらなそうに見ていた爆豪の隣に、幼馴染がよいしょと座る。
「そっか…。さんの連絡先、知ってたんだ。」
「別に。最近たまたまだ。」
たこわさびの辛さに少し顔を歪ませる。
「かっちゃんってさ、もしかして昔……」
緑谷が少し間を置いて続きを言おうとの方に向けていた視線を隣にいる爆豪に移すと、思わずハッとして口を紡いでしまった。
幼馴染の、こんなに、切そうな表情を見るのは初めてだったからだ…。