第2章 ❄︎大人になるということ。〜爆豪勝己2
『もしもーし。です』
「………出んの早ぇな」
『え、…爆豪?どうしたの?ふふ、連絡くれるの嬉しいな』
…嬉しいという割に、そっちからもよこさなかったじゃないか、と抗議したくなるが、そんな言葉を発することは彼のプライドが許さない。
というより、何故かにやけそうな口元を、誰に見られているわけでもないのに隠してしまう。
嬉しいと言われ、喜んでいる自分を認めたくない…
爆豪はハァ、と一つ息を吐き会話を始めた。
「今暇か」
『うん?私に会いたいの?』
「あ"あ"?暇なのか忙しいのか答えろや!」
『あはは、ごめんごめん、大丈夫だよ。どこ行く?』
「………場所はメールする」
『ん、決まってるの?まぁ、いいよ。わかった』
「早く来いよ。」
『場所によるけど…、まぁ爆豪は忙しいだろうからお急ぎなのはしょうがないね。じゃ!』
「ああ」
電話を切り居酒屋の場所をメールすると、すぐに返信が返ってきた。
《おけ!30分くらいかな〜》
その文面を見て、またもや口元を手で隠す。
ほんとに今から会えるのかと、もう認めよう。
自分は嬉しくなってしまっている。やはり俺は…
深呼吸して同級生の元へと戻るが、
彼女が部屋に入ってきた時、爆豪は少し。いや大きく後悔するのだった。