• テキストサイズ

【ヒロアカ】転生した先は猫人間でした【爆豪】【轟】

第8章 休校日





「まぁ、医者からは経過観察とも言われてるし。少し様子をみてもいいんじゃないかい?」

涙ぐみながら訴える紬を見兼ね、リカバリーガールがフォローに入る。

「・・・。異変があったらすぐ報告しろ」
『・・・はい。ご迷惑をかけてすみません』

「ほんとは諦めてくれると助かる。これは俺の手間がどうとかじゃく、生徒を心配する教師としてだ」

『っ・・・相澤先生ぇ・・・・』
「泣くんじゃないよ、ヒーロー志望だろ」

今まで押さえ込んでいた感情が涙となって溢れ出す。

「あたしゃ戻るよ、イレイザーヘッド、猫宮を送ってやりな」
「はい・・・」

部屋を出るリカバリーガールに挨拶もできず泣きじゃくる紬。
お昼頃には学校についていたはずが、泣き止むころには夕方になっていた。




「・・・。帰るか?」
『あい・・・。お時間とらせて、ずみまぜんでした』

涙は止まったものの、鼻水が詰まりおかしな喋り方になっている紬は帰り支度を済ませて学校を出る。

「今日言ったこと、忘れるなよ。異変があればすぐ報告だ」
『はい・・・』
「あとな、その記憶を下手に使おうとするな。もしお前が複数個性持ちだったとしたらどんな反動があるかわからん」
『!そう、か・・・。複数個性・・・』

考えもしなかった相澤の発想にハッとなる紬。
個性という便利な言葉が使われてはいるが、ここ自分が生前暮らしていた世界とはまるで違う、極端にいえばコミックの世界なのだ。

「?わかってんのか」
『は、はい!気をつけます!』

相澤の言葉に足を止め考え込む紬に釘が刺される。


【ポンポン】

『!!?』

「あ・・・。悪い。セクハラだったなこーいうの」
『い、いえそんな・・・。ありがとうございます?』
「は?・・・あ、あぁ(個性が猫の生徒なんて今までもいただろ、何やってんだ俺は)」


相澤に頭を撫でられ一瞬固まる紬であったが、咄嗟に相澤が無類の猫好きということを思い出した。

『ふふっ、さては相澤先生、猫好きですね?』
「!」
『匂いでわかるんですよー』
「・・・そうか。そうかもな」

紬の言葉にふっと笑って肯定すると、再び歩き出す。
家まで終始無言ではあったものの、気まずくない空気が二人を包んでいた。






/ 163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp