【ヒロアカ】転生した先は猫人間でした【爆豪】【轟】
第8章 休校日
『ある日突然、前世の記憶・・・みたいなのが蘇りまして』
「ぜ、前世???」
突拍子もない話に呆れる表情を見せるリカバリーガール。
相澤は隣で紬を見つめ、じっと話を聞いている。
『し、信じてもらえないかもしれないんですが、その前世は今みたいな個性とか超パワーみたいなものがなにもない時代っぽくて・・・。』
「かなり前の時代だな」
『はい。私も普通の女子高生でって感じなんですけど・・・。心当たりといえばそれくらいしか無くて。でもその記憶と海馬がどう関係してるかも全然わかんないんです』
「記憶の中に何かないのか」
『うーん・・・。正直歩いてたらトラックに轢かれて、おそらくそのまま・・・って感じだったので』
どこまで話しても大丈夫そうか、頭で整理しながらのためしどろもどろになってしまう。
「日は浅いが俺はお前を生徒として信じる。落ち着いて話せ」
『っ・・・』
相澤にまっすぐ見つめられそう言われると言葉に詰まる。
未来が何と無くわかってしまうこと、これをかなりぼかして伝える方法を考え込む紬。
『これも、前世の記憶と関係あるかわかんないんですけど、たまにデジャヴみたいに、今目の前で起こってる出来事が前にもあったように感じることがありまして・・・』
「たとえば?」
『あー、・・・。実はUSJ事件の時が1番強く感じました。激しい頭痛がして、結末がどうなるかとかはわかんないんですけど、ふわっと・・・。あれ?この光景、前にも見たことあるなって感じで』
「!・・・。あんな事件そう何度もあってたまるか」
『いや、ですよね・・・。自分でもよくわかんないです。すみません』
「はぁ・・・。緑谷といい、お前といい、今年はよくわからん生徒が多いな」
『・・・』
「その発作みたいな頭痛持ってるようじゃヒーロー目指すのは結構厳しいと思うぞ」
『っ・・・。私も、そう思います』
ほんとはここまで話すつもりでは無かったが、相澤の"信じる"と言った眼差しに抗うことができず、話してしまった。
言われることもわかっていたはずなのに。
『・・・、それでも私はヒーローになりたいんです。それに、もしこの記憶をモノにすることができれば、逆に武器になるかもしれないとも思っていて』
相澤の言葉に何とか答える紬。