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【ヒロアカ】転生した先は猫人間でした【爆豪】【轟】

第11章 脱出作戦






コミックとして楽しんでいた時は連合にも様々な事情があって憎みきれない部分はあった。
しかし現実になるとあまりに残酷な世界に自分の心が"コッチ寄り"になってきているのがわかった。
仮にもこの世界に生まれて15年、ヴィランになるつもりなど毛頭ない。

そう思ってきたつもりだったのに、彼らから言い放たれたのは"この世界のはぐれ者"。
何が前世の記憶だ、何がコミックの世界だ。
自分が今生きている世界から浮いた存在である事を改めて突きつけられ、ここに居ていいのか、生きていていいのか、そんな考えが過ってしまった。


「出生不明で天涯孤独、ヒーローと言うよりヴィランの生い立ちの様な彼女と粗暴な態度が目立ち精神的不安が見られた彼の未来があると言う根拠をお聞かせください」

テレビからインタビュアーの声が聞こえてきた。

『・・・(天涯孤独。確かにその通りだ。)』

世間からそのように見られていたことを知った紬はさらに暗い気持ちになっていく。

「行動については私の不徳の致すところです。ただ・・・体育祭のソレは彼の理想の強さに起因しています。彼女の生い立ちについても、我々の目で本人を確かめた結果、孤独ゆえに人の痛みを知り救おうとする強さがあります・・・。あれを見て隙と捉えたのなら、ヴィランは浅はかであると私は考えております」

『っ!(相澤先生・・・)』
「ハッ、言ってくれるなぁ、雄英も先生も・・・そういうこったクソカス連合!!!」

おかしな能力を持つ自分を少なからず疑っていたであろう相澤の言葉に、我に返った紬は爆豪の隣に並び、再び戦闘態勢に入った。


「手を出すなよ、お前ら・・・。こいつらは大切なコマだ」

爆豪に攻撃されて顔面の手が吹っ飛んだ死柄木は、落ちた手を拾い上げる。

「できれば、少し耳を傾けて欲しかったな・・・。君らとは分かり合えると思ってた」
「ねぇわ」
『・・・』
「仕方がない・・・。ヒーロー達も調査を進めていると言っていた。悠長に説得していられない・・・。先生、力を貸せ」
「・・・良い判断だよ、死柄木弔」


奥のモニターから不気味な声が響く。




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