【ヒロアカ】転生した先は猫人間でした【爆豪】【轟】
第11章 脱出作戦
『用って、何』
「お前に用があるのは俺じゃない・・・」
荼毘に連れられ、暗い廊下を歩く紬。
「ここだ。入れ」
一つの部屋の前まで連れられ、扉が開く。
『っ・・・』
荼毘に押され、部屋は入ると中は暗く一つのモニターが光っているだけだった。
『まさか・・・』
「君かぁ、違和感の正体」
『!?』
「何を驚いているんだい?僕のこと、知ってるんだろう?」
『知らない!誰?!』
Sound Onlyと表示されたモニターから声がする。
声の主はオールフォーワンだ。
もちろん紬の記憶にもあるが、彼の目的がわからない。
「知らない?本当に?おかしいなぁ・・・」
『どー言う意味?どこかで会った?』
オールフォーワンに遭遇した記憶はないが、何故か知られている。
「君のこと、体育祭から気になってね・・・。少し調べたんだ。君の能力なら僕のことまで知ってると思ったんだけど」
『!の、能力?何のことかさっぱり!!』
「とぼけなくてもいいんだよ、君の脳みそのことを言ってるんだ」
『な、何で・・・』
以前病院で受けた検査結果のことを言っているのだろう。
あの病院は彼らと何の関係もないはず。
「そんなことはどうでもいいんだ・・・。君の体が欲しくてね」
『へっ!?』
「今までに見たことない体の構造なんだ・・・。解剖して調べ尽くして・・・」
『やっ!出して!もういい!戻して!!!』
オールフォーワンの言葉にゾッとした紬はその場にいられなくなり、慌てて扉に体当たりをする。
「うるせぇな、話は終わったのか?」
部屋の前で待機していた荼毘が入ってくる。
「まだ終わってないんだけどなぁ・・・。まぁいい、続きはまた今度だ。彼の元へ戻してあげてくれ」
「へーへー」
オールフォーワンの真意がわからないまま爆豪がある部屋へと戻された。
「紬!」
『あっ・・・』
恐怖で震える紬を目の当たりにして何かを察した爆豪が名前を呼ぶ。
「おい!しっかりしろや!テメェ、コイツに何しやがった!?」
「俺は特に何もしてねーよ。そこの子猫にでも聞け」
荼毘はそう言い残すと部屋を出て行った。
『ふっ・・・うっ・・・』
爆豪の声に少し安心したのか涙が溢れる。
紬はそのまま静かに泣き続け、そのまま眠りについた。