【ヒロアカ】転生した先は猫人間でした【爆豪】【轟】
第11章 脱出作戦
「ってぇ・・・」
『あ、勝己!よかった・・・』
「んなっ!?」
気を失っていた爆豪が目覚めると、視界いっぱいに広がる紬の顔。
紬は拘束されている体を何とか動かし、爆豪を膝枕する形になり様子を伺っていた。
「てめ!何でここに!?」
『私もよくわかんないんだよね。襲撃直前に頭痛がして、勝己が拐われちゃうことは分かってたんだけど・・・』
「とにかくどけ!離れろ!」
『え?ええ・・・。残念』
「何呑気なこと言ってやがるアホが!」
『・・・。大丈夫』
「はっ?」
『勝己は、大丈夫だよ』
「!・・・俺はって、どーいうことだ?」
『・・・』
「オイ、何とか言えや」
『わかんないの』
「あ?」
『あのね、私まで拐われることはわかってなかったの。勝己が助かるのはわかってる・・・。私のことはわからない』
「!・・・全部が見えてるわけじゃねーんか」
『うん・・・』
「ッチ、ここがヴィランのアジトな以上詳細を聞くこともできねぇか」
『あ、そうだよね』
今の状況と紬が伝えたことに考え込む爆豪。
【ガチャ】
「よぉ、目覚めたのか」
「んだテメェ」
「悪いけど今はお前じゃなくてコッチに用があるんだ、来い」
『いっ・・・』
「触んな火傷野郎!」
「お前も後で呼んでやるから、大人しくしてろ」
部屋に入ってくるやいなや、噛み付く爆豪を無視して紬を立ち上がらせる。
「"彼女"、ちゃんと守れるといいなぁ・・・?」
【バタン】
「くそがっ」
部屋に一人取り残された爆豪は現在の自分の無力さに顔を歪めていた。