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【呪術廻戦】楽園【七海建人】

第2章 呪われた少女


side.名前





母の死から1ヶ月。



原因は分からないけど、

こうなる事は分かってた。



だって夢の中で見ていたの。



この真っ暗な部屋に

閉じ込められる夢を。





『…苦しい?』

「…うん、苦しい…」





ドアを隔てた向こうには、

“悪いモノ”がいる。



この部屋には入って来ないけど、

“それ”は私を暗闇に閉じ込めて、

毎日語りかけてきた。





『…許してくれる?』

「…許す…それは難しいかな?…」





私は誰と話しているんだろ?

幽霊になったお母さん?





『…お願い…助けて…』

「…ごめん…」





それは出来ない。

だって私にはそんな力ないから。



でも夢に出てくる“あの人”なら…



きっとあなたのことも、

救ってくれるはず。



今日まで水と少しの食料で何とか凌いで来た。



きっと“彼”が私を助けてくれる。





「…お願いだから…早く…助けに来て…」





脳裏に浮かぶ、

金髪の“彼”に語りかけた。





まだ死にたくない。

生きることを諦めたくない。





私は今日も、

この部屋の扉が開くのを待った。


 
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