第5章 好きの延長線
side.名前
私は高専の卒業と同時に
補助監督になった。
本当は呪いなんて関わりたくない。
でも七海さんの側にいるためには、
この世界にいなければならなかった。
今日の任務は五条先生と一緒だ。
「五条先生。今日は宜しくお願い致します」
「はぁあああーっ…」
私の顔を見るなり、
彼は盛大に溜息を吐く。
私はどうしたもんかと狼狽える。
「体調でも悪いんですか?」
「ううん。ただの五月病ー」
「今は春でも初夏でもない秋ですよ?」
杖に突っ伏していた顔を上げて、
私を見る五条先生。
「名前はさ、そういうクソ真面目な所。ホント七海に似たよね」
「えっ?そうですか?」
パアッと顔が明るくなってしまう。
七海さんと一緒なんて嬉しい…。
「ねえ?別に褒めてないよ?」
「えっ?」
「とにかくやる気が出ないってことー」
あれ?
ぬか喜びだった?
それでも七海さんと似てるなら嬉しいの。