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【呪術廻戦】楽園【七海建人】

第5章 好きの延長線


side.七海健人






部屋中に香ばしい匂いが

充満している。





今ではこの日常が、

私のルーティンになっていた。





3年前のあの日。

私が彼女と出会った日。



境界線を引こうと決めたのに…





「…私は…ダメな大人だな…」





ベッドに横たわったまま、

苦悶する。





自分を律していたはずなのに…



彼女の望みを全て受けいれて、

甘やかしてしまった。




その結果。

20歳になった今でも

名前さんは私と一緒に寝ている。



3年の月日は彼女を変えた。



可愛らしさを含んだ少女から、

美麗な大人の女性へと。



いつからか、

名前さんの存在は

私の中で大きくなっていた。



3年という歳月は、

私が彼女を愛するには

十分すぎる時間だった。





「…潮時か…」





彼女も立派な成人だ。



そろそろ手放して、

自立をさせないと。



取り返しがつかなくなる前に。





貴女は

易々と境界線を越えて

私の心の中に入ってくるから。


 
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