第4章 安心できる場所
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「私は理性的な人間なので、今の発言を聞かなかった事に出来ます。ですが大抵の男は違います」
「………」
「間違いが起こらないように注意して下さい。自分を守れるのは己だけと肝に銘じて下さい」
「………はい…」
叱られた。
ただ七海さんの身体を
心配しただけだったのに。
肩を落としていると、
不意に頭を撫でられる。
「ですが、お気遣いには感謝します」
見上げた七海さんは
目を細めて小さく笑っていた。
怒ったんじゃない。
私のことを心配してくれたんだ…
その誠実さも素敵だと思った。
そうこうしている内に、
頼んでおいたデリバリーが届く。
2人で夕食を食べる。
久しぶりに人と食べたご飯は
とても美味しかった。
お風呂に入って、
七海さんの隣でのんびりする。
初めて来たお部屋なのに、
こんなに寛げるのは、
七海さんがいるからだと思う。
暫くすると眠気が襲ってきた。