第4章 安心できる場所
side.七海健人
「どうしたんですか?」
「…あまりにも…子供扱いされてる気がして…」
「それは当然です。私は家主で貴女は…」
言葉に詰まる。
私達のこの関係は
一体何と呼べば良いのだろう?
家族?
ルームメイト?
保護者?
そうだな。
保護者という関係が一番しっくりきた。
「私は貴女の保護者ですから」
「…そうですけど…手くらい言われなくても洗えます」
「そうですか」
どうやら子供扱いされるのを
嫌う年頃らしい。
「では続けますよ?こちらはレストルームになっ…」
また言葉に詰まる。
そういえば…
私の家には生理用品が無い。
女性はこういう時、
どうしているのだろう?
………
明日にでも家入さんに聞いてみるか。
「七海さん?」
彼女の言葉にハッとする。
また考え込んでいた。
女性と暮らすというのは、
思っていた以上に大変なのかもしれない。
この時ばかりは
あの軽薄でデリカシーのない先輩を
羨ましく思った。