第4章 安心できる場所
side.七海健人
高専を出た後。
彼女のアパートを周って、
衣類などの必要な物を取ってきた。
「ここが私の家になります」
名前さんにセキュリティ云々を教える。
都心から少し離れたマンション。
そこの1LDKが私の住まいだ。
今日から彼女と二人暮らしか。
寝室は名前さんに使って貰おう。
私は酒を好むため、
リビングのソファベッドで寝てしまう事が多い。
生活も色々と見直さなければならないな。
「お邪魔します」
「名前さん。貴女も今日からここに住むんですよ?」
「あ、そっか…た、ただいま」
「はい。お帰りなさい」
この子も年相応の顔が出来るんだな。
少し照れた表情を、
可愛いと感じた。
「では室内の説明をします。まずここがバスルームです」
「はい」
「帰ってきたら、必ずここで手を洗いましょう」
「…七海さん…」
「何ですか?」
手を洗いながら、
鏡に映る彼女を見る。
すると今度は少しむくれた顔をしていた。
何故?