第3章 私の王子様
side.七海健人
「大丈夫。幸い軽い栄養失調だよ」
「そうですか」
呪いにあてられてなくて良かった。
栄養失調なら普通の病院でも
診てもらえるだろう。
高専に苗字さんを連れて帰り、
家入さんに診察を頼んだ。
「それで?」
「はい?」
診察用のグローブを外しながら、
家入さんが私に視線を向ける。
「同意もなく連れて帰ってきたの?」
その言葉をきっかけに、
今まで静かだった五条さんが笑い出す。
「ぶははッ!七海が王子様とかウケるよね!僕、好きだなー。この子」
「まあ。コイツ(五条)に比べたら見えなくもないけどさ」
「………2人とも笑いすぎです…」
家入さんと五条さんを頼る際に、
事のあらましを話した。
「五条さん。彼女のこと、何か分かりましたか?」
「んー…どうだろう?僕の好みではないけれど、まあまあ可愛い方だとは思うよ!」
「………殴ってもいいですか?」
この子に関して解せない事があった。
だから五条さんに頼んだのに…
やはり、この人はふざけてる。