第12章 球技大会
及「やっぱ気づいてなかったんだね。わかりやすいと思うんだけどなー。」
そんなことをいいながら話を続ける。
及「彼氏いるのも知ってる。でも、それでも俺を選んで欲しい。その彼氏に負けないくらい立派な男になるから、俺にしなよ、、、。」
真剣に言うから不覚にもドキッとしてしまった
「ごめんなさい。及川さんの気持ちは嬉しいけど、彼以外考えられないです。」
及川さんの目を見てちゃんと答えるんだ。真剣に告白してくれたから。凄く勇気のいる事だって分かってるから。
及「、、、。そーだよね、ごめん。強引すぎた」
少し悲しそうに言う及川さんに胸が痛む。どうしていいか分からないし、沈黙が辛くなった私は
「もう行きますね」
そう言って扉の方へ向かおうとした、のに。後ろから及川さんにハグされた。
「ちょっ、、。」
及川さんの腕から逃れようと身をよじる。
及「ごめん、でもこれで最後にするから。わがままきいて」
そんな事言われたら振りほどけなくなっちゃうよ。でも、堅治君に言えないようなことはしたくない。
もう一度身をよじり、及川さんの腕から抜け出した私は
「ごめんなさい」
きっぱり告げ、階段を駆け下りた。
及「あーあ。振られちゃった。キッついな、ジンクスとか嘘じゃん」
俺頑張ったよね、誰か褒めてよ、笑
突然屋上の扉が開いた。
及「!! 凛ちゃん?」
岩「悪かったな、違くて」
及「なんだ、岩ちゃんか。」
岩「ラーメン食いに行くぞ、クソ及川。」
岩ちゃんの一言に力が抜けた
岩ちゃんなりに励ましてくれてるんだよね。幼なじみだし、大体のことはお見通しなんだろう
及「食う!」
元気よく答えた俺は岩ちゃんの後をついて行く
岩「もちろん及川の奢りな」
及「失恋した及川さんを励ます会じゃないの!?」
岩「、、、?? 俺が食いたいだけだ、自惚れんな」
本気で思ってそうだから、励ましなのか気まぐれなのか割とマジで分かんなくなった
岩「、、、、。元気出せよ、クソ川」
ぼそっと言うもんだから、聴き逃しちゃうところだったよ。暴言も混ぜてくるところが岩ちゃんらしい。けど、居てくれてよかった
及「いーわちゃん!」
名前を呼び、先を歩く岩ちゃんの隣に並ぶ
岩「キモ」
散々な1日だったけど、1位とったし、ラーメン美味いからOKだよね