第10章 初デート
☆凛side
二度寝して起きると、時刻は9時を回っていた。横を見ると二口さんが隣で寝ている。
2人で見事に遅刻だし、看病のせいで、二口さんも遅刻させちゃって申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
(やっちゃった、。完全に寝坊した。どーしよ、途中から行く、?ていうか、二口さん起こさなきゃだ!)
ぴったりくっついて寝ている二口さんの肩を揺らし、起きるように催促する。
「二口さん、起きてください!今すぐに」
二「ん、。朝か?もうちょい寝よーぜ。」
ダメだ。二口さん朝弱すぎる。今までよく朝練寝坊しなかったレベルで。
「二口さん、学校遅刻してる時間です!!」
私の焦る声でようやく起きてくれた。
二「まじかよー。じゃあ3限くらいから行くか。凛は病み上がりだし、1日くらいむしろ休め」
「あの、看病してくれてありがとうございました!私のせいで寝坊させちゃってすみません。学校行くなら、1回家帰りますよね?」
二「んー、ほんとはまだ凛と寝てたいけど、部活もあるしな。でも、3限までまだ時間あるけど?」
そういって両手を広げてくる二口さん。
二(昨日みたいに甘えてこねーかな。まー俺がまだ帰りたくないだけだけど)
寝起きなのにかっこいいなんて反則だよ。しかもちょっとドヤッてるし。二口さんの思いどおりになるのは少し釈然としないけど、ハグをしたい私はまんまと二口さんの胸に飛び込んだ。
何も言わない二口さんが心配になり、二口さんの胸に埋めた顔をあげる。
「、、!!可愛い!顔真っ赤だ。」
二「見んな!! いい感じに隠せてたんだから。ていうか、俺の彼女なんだし、敬語やめろよ。敬語で話されるとムズムズする。」
「もう見ちゃいました!ていうか、ムズムズってなんですか笑 しょうがないな、じゃあ今日からタメ口にするね、堅治くん!」
いきなり下の名前呼びは攻めすぎたかなって思ったけど、また赤面して、私に背を向け布団に潜る彼が可愛いのが悪い。
「可愛い、。」
口に出てたのか、背を向けていた彼が急にこちらを向く。
二「先輩なめすぎ!あと俺は可愛くねーし。こんな巨体な男に可愛いとかやめろよ。」
口を尖らせながらそんな事を言う姿は、私だけが知っていたいなんて思った。