第7章 相談
心配に思いながらも、自分の思う気持ちを話してみる。
「得体の知れないものに遭遇するのって怖いよな。でも、知らなかったものを知るのは結構楽しかったりしない、?」
彼女の中で何かが吹っ切れたのがわかる。
凛「国見くんの言う通りだよ。怖いけど、でも楽しい!この感情を知らなかった時に戻りたいとも思わない。ただ、変わってくのが怖くて、逃げてたんだ私。」
「まー結論が出たなら良かった。逃げる事が悪いとも思わないけど。1回逃げて今みたいに自分の状況を理解する時間も必要じゃん。で、何があったわけ?オブラートに包みすぎて、全然分かんない。」
凛「そーだよね。相談乗ってくれてるのに、肝心な事話さないなんて、失礼すぎだった。あのね、私好きな人が出来たんだ。」
この言葉を聞いた瞬間鈍器で殴られたような衝撃を覚えた。
俺が1番聞きたくなかった話。
「、、、!!!、、、ふーん、、。で?」
聞きたくない話に素っ気なくなる返しにも構わず彼女は続ける。
凛「で、その人が落ち込んでて慰めた後に帰る流れになったんだけど、帰りたくなくて、思わず抱きついちゃったんだ。そこでまず自分の行動にパニックになった。その後にね、その人も抱き締め返してくれたんだけど、急にキスされて、思わず逃げちゃった。普通キスより先に、好きだとか付き合うとかの流れがあるはずだよね、?でもそんな流れもなくキスされたから、遊ばれてるだけなのかなって嫌な気持ちになった。でも自分からハグしたわけだし、帰り方も酷かったなって思って自分から連絡もしずらくて、、。」
「つまり初めて好きな人が出来て嬉しかったけど、遊ばれてるみたいで辛いってこと?」
凛「そう!その通りだよ。」
(知らない奴と凛の惚気を聞かされてる訳だし。少しくらい意地悪言っても許されるだろ。)
「いきなりキスしてくるなんてそいつ慣れてるね。しかも、告白が先なんて当たり前。そんなヤツやめといたら?凛が傷つくだけだよ。」
凛「、、っ。やっぱり、そーなのかな、、。」
明らかに傷ついている彼女を見て、良心が痛んだ俺は付け加えて言う。
「少なくとも俺はそー思うってだけ。」