第7章 相談
そんなことを言いながらも、自分のジャージを私にかけてくれていた。
しばらく私の寝顔を見ていた彼は私のほっぺをつつき、起きないのを確認すると、髪にそっとキスを落とし、練習へと戻っていった。
松「なーんだ。てっきり戻ってこないと思ってたのに。」
国「悪趣味ですよ、覗きなんて。」
松「国見が凛ちゃんの髪にキスしたとこなんて見てませーん。」
国「しっかり見てるじゃないですか!」
松「あれ、? バレた?笑
あの子面白いよね。及川も狙ってるみたいだし。」
国「手ー出さないで下さいね。俺本気なんで。」
松「おーこわっ。俺は出さねーよ。釘さす相手間違ってるって。」
2人が私の話を繰り広げているなんてつゆ知らず、私は深い眠りに落ちていった。
国「お、、、て。凛、、。、きて!凛起きて!」
国見くんの声ではっと目が覚める。
国「やっと起きた。なんか、悪い夢でも見た?」
「え?なんで、?」
国「泣いてたから。」
「うそ、なんでだろ。夢見た記憶ないのに。」
国「前も1回だけ、入学したての頃凛が寝ながら泣いてるの見た事ある。」
「おばけでも出てきてたのかも。」
国「お化け苦手なの?」
「全然!笑 何となく言ってみただけだよ。」
国「そっか。」
「起こしてくれてありがとう。今何時、?」
国「一限目が始まったくらいかな。凛中々起きないからこんな時間になってた。」
「うそ!?ごめんね、一緒にサボらせちゃって。今からでも戻る、?」
国「いや、面倒臭いし、いいかな。ていうか、凛が眠れない程の何かがあったんでしょ。俺で良ければ、相談乗るけど。」
「私そんなに寝るイメージなの?笑 でも、ありがとう。
国見くんって優しいよね。実は最近、自分が知らなかった感情を思い知らされる毎日で、心が追いつかないんだ。それで、キャパオーバーになっちゃって逃げてきた。」
国「いまいち話が見えてこないけど、その感情を知らないままの方が良かったの、?」
「え、、、?」
国見くんに核心をつかれた私は言葉が出てこなかった。
「得体の知れないものに遭遇するのって怖いよな。でも、知らなかったものを知るのは結構楽しかったりしない、?」
笑顔で話しかけてくれる国見くん。