第6章 春高予選
二「、、、かっこわる、、」
「え、、?」
二「後輩に心配させて説教されるとかだっせー。わりぃ、凛ちゃん。もう大丈夫だから、ちゃんと頭冷えた。ボール片付けてちゃんと帰るから、先帰んな。」
(うん。大丈夫そう。ちゃんと何時もの二口さんに戻ったはず。大丈夫じゃないのは、まだ離れたくないとか我儘言いそうな私の口だ。)
帰りますねって声をかけ、二口さんに背を向け歩き出した。体育館の扉に足を踏み出そうとして、立ち止まる。
(ごめんなさい、やっぱり無理だ。)
振り返った私は、二口さん目掛けて走り出した。勢いのまま今度は正面から二口さんに抱きつく。
二「どわっ」
(え、なになになになに。なにしてんの、私。怖すぎ、謎すぎ、これ完全逆セクハラだよバカ。え、これって訴えられるんだっけ。そもそも今完全に解散する流れだったよね、どした私の脳。今宇宙人に体乗っ取られてマイクロチップ埋め込まれた影響って言われたら信じるよ。何もう、今隕石落ちてきて体育館に穴あかないかな。そしたら入れるよね。恥ずか死とかいう病名あったら死んでるよ私。てか、勢い強すぎて二口さん変な声出してたよ。今ので内蔵破裂とかして選手に怪我させたらどーするんだ。)
抱きついたは良いものの固まって動かない私。
二「凛ちゃんは猪かよ。いや、抱きついて動かないとこ見たらコアラか?いや、イノコアラだわ。新種かよ、未知の生物すぎてついてけねぇんだけど。」
「、、、、先輩が、、、するから、、、!」
恥ずかしくて泣きながらブツブツ話す
二「ん?俺が何?」
「先輩があんな顔するから!!普段意地悪ばっかしてちょっかい出してくるのに。色んな顔の先輩見る度に宇宙人に洗脳されたみたいになるんだよ!」
二「え、うん。は?何、宇宙人?後半何も伝わってこなかったんだけど。」
二(泣きながら、俺の練習着に顔を埋めて、離れないのは違くね。俺も男なんですけど。練習やめろって言われたけど、この時間はなんの修行だよ。襲われても文句言えねーぞ。)
「分かんない。何もわかんないっ。どーしていいかも、
ただ、離れたくない、、、です、、、。」
二(可愛さで殺しにかかってきてねーか。パニックになって敬語忘れてるのもかわいーし、こっちがキレてーわ。ここまでお膳立てされて、何もしねーのはちげーよな。)